ネットワークトラフィックには、代表的なブロードキャスト、マルチキャスト、ユニキャストの3種類がある。
意識しなくても当たり前に使っているが、ここで改めて図とあわせて確認してみよう。
ブロードキャスト
ブロードキャストとは、同じメッセージを複数の受信者に同時に転送することだ。
つまり、ブロードキャストパケットは、ネットワークセグメント上のすべてのポートに送信される。
しかし、すべてのブロードキャストトラフィックが同じように生成されているわけではない。
第2層の場合、MACアドレスFF:FF:FF:FF:FF:FFがブロードキャスト専用アドレスとして予約されている。
このアドレス向けのトラフィックはネットワークセグメント全体にブロードキャストされる。
第3層の場合も専用のブロードキャストアドレスがある。
IPの場合、アドレス帯のなかで一番高位のアドレスがブロードキャストアドレスになる。
例えば、IPv4でアドレス帯が192.168.0.xで、サブネットマスクが255.255.255.0となっているネットワークの場合、192.168.0.255がブロードキャストアドレスとなる。
複数のハブやスイッチからなるネットワークでは、あるスイッチから送信されたブロードキャストパケットは、スイッチからスイッチに渡され、すべてのポートに到達する。
このルータに到達するまでの範囲をブロードキャストドメインという。
マルチキャスト
マルチキャストとは、1つの送信元から特定の複数の宛先に同時にパケットを送信することだ。
映像配信などがいい例だろう。
この特定のグループを指定するアドレスは、クラスDアドレス(244.0.0.0 ~ 239.255.255.255)を使用する。
受信側は、マルチキャストアドレスの受信をIPv4ではIGMP(Internet Group Management Protocol)というプロトコルで、同セグメントのルータに知らせる。
そのルータはPIM(Protocol Independent Multicast)で他のルータと情報交換し、どこにマルチキャスト通信を送ればいいかわかる。
一方、送信元はマルチキャストを受信すると、PIMにより、受信側へのルートを確保する。
図にするとこのような関係性になる。
ユニキャスト
ユニキャストとは、1対1の通信だ。
ユニキャストがどう機能するかは、使用するプロトコルによって異なる。
WEBサーバと通信する場合、1対1の接続なので、通信の処理はクライアントがWEBサーバだけにパケットを送信してはじまる。
まとめ
1対1の普通の通信をユニキャストという。
他に、複数の相手に同じデータを送るマルチキャスト、同じネットワーク内にいる全員に同じデータを送るブロードキャストがあるので、あわせて違いについて確認してみた。
これらの連載1~4の内容は、パケット解析に必須の基本なので、是非理解しておこう。
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