最近では無線LANでネットに接続することが多いので、ネットワークハードウェアを意識する機会が減ってきている。
しかし、ハブ、スイッチ、ルータといった一般的なハードウェアについては是非知っておこう。
ハブ
ハブとは、上の写真のようなRJ-45ポートを複数持つボックスだ。
大きさは4ポートといった小型のものから48ポートといった大型のものまでサイズはいろいろだ。
ハブは要らないネットワークトラフィックを生み出し、データの送受信を同時にできない半二重モードで動作する。
全二重通信とはデータのやりとりをする機器同士(例えばLANアダプタとスイッチングHUB)がお互い同時に通信できること。
一方、一度にどちらからかしか通信ができないことを半二重通信という。
ハブは、OSI参照モデルの物理層で動作し、データの中継をする。そして、あるポートに送信されたパケットをすべてのポートに伝送する。
たとえば、マシンAがポート1に接続されている状態で、ポート2に接続されているマシン2にデータを送信する場合、ハブはパケットをポート1、2、3、4のすべてに送信する。
ポート3と4に接続されたマシンは、パケットのイーサネットヘッダにあるMACアドレスで宛先をチェックし、パケットが自分宛でなければ、ドロップ(破棄)する。
つまり、不要な通信と無駄な処理が発生しているのだ。
これが、ハブの機能だ。
スイッチ
ちいさな子どもにスイッチというと、任天堂を思い浮かべると思うが、あれではない。
ここでのスイッチは、ハブと良く似たスイッチだ。
スイッチもパケットを中継するように設計されている。
しかし、すべてのポートにデータを送信するのではなく、宛先となるマシンにのみデータを送信する。
Ciscoなどの高価なスイッチは、WEBベースのインターフェイスで管理できたりする。
そのようなスイッチは、マネジメントスイッチと呼んだりする。
特定の機器と直接通信できるようにするため、スイッチは通信機器をMACアドレスで認識する。
よって、スイッチはOSI参照モデルのデータリンク層で動くのだ。
スイッチは、接続されているすべての通信機器の第2層であるデータリンク層のアドレスを、CAM(Content Addressable Memory)と呼ばれるMACアドレスのテーブルに記録している。
よって、パケットが送信されると、スイッチはパケット内にある第2層のヘッダ情報を読み取り、CAMテーブルをチェックしてどのポートにパケットを送るか決める。
つまり、スイッチは特定のポートにしかパケットを送らないので、ネットワークのトラフィックを減らすことができる。
ルータ
ルータは、あるネットワークとあるネットワークを中継する機器だ。
多くは前面にLED、背面にポートがある。
Wi-Fiの普及で、自宅に無線LANルータを設置している人も多いだろう。
ルータはOSI参照モデルの第3層で動作し、複数のネットワーク間でパケットを転送する。
ルータは、ネットワーク上の通信機器を認識するために、IPアドレスのような第3層を利用する。
ルータの大きさや数は、環境によってさまざまだ。
個人やちいさなオフィスのネットワークでは、ルータ1台のみで大丈夫だろう。
一方、巨大企業のネットワークではいくつものルータがさまざまな部門に配置され、それらは中央の巨大なルータや第3層のL3スイッチ(スイッチが高度化したもので、ルータ機能付き)に接続されていたりする。
まとめ
一般のユーザは、ネットワークハードウェアを意識する機会が減ってきているが、パケット解析するまえに基本的なハブ、スイッチ、ルータの機能については是非理解しておこう。
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